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豆知識その5

鉄筋のスペーサーの種類

プラスチック製
プラスチック製は安価であり、軽くて錆びず丈夫であって使い勝手がよいことから、建築工事では多く使用されている。しかし、コンクリートとの熱膨張率の相違、付着及び耐荷力不足等の問題がある[1]。その結果、コンクリートにひび割れが発生し、そこから水等が侵入して鉄筋が錆び、構造物の弱体化を招く恐れがあるため、使用や施工には注意を要する。

鋼製
鋼製はプラスチック製より重量はあるものの安価で使い勝手がよく、加工の容易さからバー型を始めとして様々な形状のものが製作されていることから、土木工事、建築工事問わず使用されている。メーカーによっては受注生産も行われている。
鋼製を使用する場合は、本体の鉄筋と同等以上の品質を有するものを使用する必要がある。通常、型枠と接する部分には防錆処理が行われている。ただしこの場合、スペーサーがコンクリート表面に露出することとなるため、この部分から錆び始め、徐々に内部の鉄筋まで腐食し、鉄筋コンクリート構造物の強度を低下させる恐れがある。また表面の錆は外観上の問題もある。
土壌や水の塩分濃度が高い場所、温泉地域などでは腐食する恐れがあるので、使用には注意を要する。

コンクリート製・モルタル製 [編集]
コンクリート製、モルタル製は耐久性があり、生コンクリートとの親和性が高いことから、トンネルや地下構造物、海洋構造物などの土木工事で多く用いられている。また建築工事でも基礎などで使用されている。基礎、スラブ、梁などではサイコロ型やブロック型、壁や柱では馬蹄型、ロケット型、ドーナツ型などある。
モルタル製、コンクリート製を使用する場合は、本体コンクリートと同等以上の品質を有するものを使用する必要がある。また型枠と接する部分では、モルタル製あるいはコンクリート製を用いることが原則とされている。
コンクリート製、モルタル製は、プラスチック製、鋼製と比べて鉄筋へ固定する方法が難しい。そのため、フック、グリップ、キャッチャー、結束線などが着いたものを使用して固定しているが、固定力はプラスチック製などと比べて劣ることがある。コンクリート製、モルタル製は重いため、使い勝手はプラスチック製などより悪い。
基礎などで用いられる四角いサイコロ型のスペーサーは、その形から「キャラメル」と呼ばれることがある。
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